【世界で一番美しい川】憧れの東京・中央区暮らし⑤/Most beautiful river in the world
2024-04-17 | TOSHI
コロナ前、親とよく旅行に行っていたのですが、ある時、車窓から隅田川の桜を見て、
「この世の中には、この光景を懐かしいと思う人もいるのかな?」
と不思議な気持ちになったことがあるのですけれど、たった数年後、まさか自分がそのそばに住むことになるとは夢にも思いませんでした。
正直いって上京してきた時は、若くはないですし、きゃあ、どうしよう、とウキウキするより、
「どうしてこんなことになったんだろう?」
というとまどいの方が強かったです。ただ、誰も干渉してこないのは本当に助かりました。
それから半年、住民として隅田川を見ている自分がいます。その気持ちを深くいい表すことは、なぜか今はできません。
ただ、隅田川は美しいです。初めて自分の生活圏に川がある、という状態になりました。
隅田川にかかる橋で好きなものはやはり「勝鬨橋(かちどきばし)」そして、「新大橋」でしょうか。
たまにタクシーに乗って隅田川を渡りますが、橋の上から見る隅田川は思ったより青く、海と見まごうほどにゆったりとして、その上に大都会の光景が広がるのが、ドラマティックで、何度見ても飽きない美しさです。
一度、川の向こうで習いごとをしていたことがあったのですけれど、事情があって、大変残念ながらそれはやめることになりました。
地方から来たばかりの私にとっては、東京に生まれ育った人の心を疑いたくなるような、傷つくこともありました。ただの行き違いだったかもしれませんが、私には分からないことです。
そのことを身近な人に相談すると、対して同情する様子もなく。
「次、次。次に行きなさい」
と言われました。その人はこうも言いました。
「だってここは東京じゃない。地方だったら、そこしかなかったりしたら、その習いごと自体をやめなきゃいけないこともあるでしょう。ここにはその人の同業だっていっぱいいるんだから」
なるほど、と思い、少し心が軽くなりました。でもどうすればよかったのかまだ自分の中ではわりきれていません。それにドライというか、よくも悪くもあっさりとしたものです。
ただ私が今思うのは、東京には、私の欲しかった逃げ場というか、選択肢がたくさんあるということと、隅田川は世界一美しい川だ、ということです。
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