『気になってる人が男じゃなかった』と『モーリス』の世界/『THE GUY SHE WAS INTERESTED IN WASN’T A GUY AT ALL』and『Maurice』
2023-08-16 | TOSHI
❙実は女性の同性愛は分からなかった
読者の皆さん、こんにちは。TOSHIです。日本人女性です。
私が、今の若い人の文化で驚いているのは、わりとかんたんに美容整形手術をして、SNSで公開することではなく、髪を金色やピンク、赤などに染め、それが似合っているということでもなく、同性愛、特にレスビアンや両性愛者であることをカミングアウトする人が増えてきた、ということなのです。
私は比較的、偏見の少ない人間だといわれていて、また、そうでありたいと思っています。けれど、内心分からなかったのは、女性が女性を愛することでした。
でも、人によっては、自分をつらぬき通していて凄いな、と思って、そういう人達の幸せの邪魔をしないようにしてきました。
❙BLは好きだった『モーリス』と当時の私
実は、少女時代から、今でいうBL(ボーイズ・ラブ)漫画もライトなものはこっそり読んでいました。
当時流行していた、ゲイの愛がテーマの映画、『モーリス』(原題 Maurice)を英国美青年めあてで観にいったり、E・M・フォスーターの原作本も買いました。
洋画「モーリス 4K」公式サイト
https://cinemakadokawa.jp/maurice/
ただ、後述しますけれど、映像美以外は、『モーリス』のよさは当時の私には分かりませんでした。理解できたのはつい最近のことです。
❙『男たちの挽歌』(A Better Tomorrow)
ジョン・ウー監督の、香港ノワール・アクションの傑作映画、『男たちの挽歌』(A Better Tomorrow)は当時から好きで、今も好きです。
『男たちの挽歌 4Kリマスター版』予告
このネタを分かってくれそうな年下女子とお話ができると、
「『男たちの挽歌』で、ティ・ロン(Ti Lung)とチョウ・ユンファ(Chow Yun-Fat)が演じる主演の二人の友情は、美しくも深すぎてあやしいでしょう!」
と、熱弁してしまったり、私と同じ意見のネットの書きこみを観て、
「やっぱりィ。うふふ」
とこの年になってもニヤニヤしている人間でもあります。ただ、女性同士の愛はやっぱり、正直いってずっと理解できませんでした。
その理由は、自分にとっての、究極の美、美の権化というべき人達とは、格闘技や武術などでも象徴される種の、男性美がある人達だからです。
我ながら、それに過度なぐらいの憧れを持つ自分は、自身を含む、女性のふにゃっとした体にどう性的な魅力を感じればいいのか、分かりません。
また、本当のゲイの方々はBLや腐女子があんまり好きではない、という話をきいたことがあります。
とあるリアルなゲイの人のエッセイを読んだら、自分の性別が1グラムも必要とされていないばかりか、ボロクソに罵倒、否定されていました。それはまだいいのですけれど、主人公の大切な友人は、世間体のために女性とカモフラージュ婚をしています。
何の罪もない、けなげな、相手の女性の人生を踏みにじっていることを自慢げに話し、主人公とゲラゲラ笑う楽しげな2人。それは同性愛の人だからそうなのではなく、その人がそういう人なのでしょうけれど、ただ、他の、面白いと思えるところを読んでも、自分はきっとゲイの人を理解していないし、これからはそっちはBL以外は読むのをやめようと思ったのです。
❙『気になってる人が男じゃなかった1』
ところが、突然、女性同士の関係に対して、「そういう愛もあるんだ」と、少しでも理解させてくれたのがこの作品。
Twitterフォロワー85万超(後述の本の帯より)で書籍化された、『気になってる人が男じゃなかった1』新井すみこ著(KADOKAWA)です。
THE GUY SHE WAS INTERESTED IN WASN’T A GUY AT ALL
Twitterのコメントを読むと、外国人の読者も少なくないようです。
新井すみこ氏 Twitter
@agu_knzm
絵がすごく上手で、
「女性同士でも相手を好きになることがあるんだ」
ということが、実にリアルに描かれていて、私のような人間も説得されました。
本の中表紙には、主人公の2人の、どういうところが魅力的かという描写が丁寧にかかれていて、こういう視点もあるのだ、と感心しました。
私は今でも、この件の当事者ではありません。男性美に憧れます。
ただ、
「その人を好きになってはいけない、かわりにこの人を好きになればいい」
といえる人は、本当に人を好きになったことがないのかもしれません。そう思いました。
❙今、『モーリス』を観た感想
そして最近、映画『モーリス』を最近、もう一度観てみたのです。
同性愛が犯罪とされていた時代のイギリスの話で、お互いにひかれあいながらも対照的な人生を歩んでいく、同性愛の男性達を描きます。
作者のE・M・フォースターは1913年にこの作品を執筆しましたが、出版されたのは、死後の1971年でした。
(参考 「モーリス」wikipedia)
ある人が誰かを気になったり、本当に愛したとしても、その関係が法的にも禁じられていて、
「このまま進めば、自分が破滅するかもしれない」
いう恐怖を実際に思い知らされたら、少なくとも影響され、迷うのは、人間として当然のことなのです。
繰り返しますが、この作品が出版されたのは作者の死後でした。
違う時代に生きた、登場人物達のリアルな葛藤や心の動きから、かけがえのない、この作品の価値と、深い感動が生まれます。
少女時代に私がこの作品を理解できなかったのは、本当の愛を知らず、愛があればどんなことでも容易に乗り越えられる、と思い込んでいたからでしょうか。
それでも、愛情というものは、神聖で稀有なものであり、人間がそれを引き裂いてはいけない、ということに気がつかされて泣いた、今の私でした。
※TOSHIは元食レポ中心のライターです。これらや「#日本人が中華街でつぶやく」(下記のTwitterとこのサイトで連載中です)などを掲載してくださる媒体を探しています。ClubRosyのTwitterのDMから気軽にお問い合わせください。https://twitter.com/ClubRosy
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